【コラム】旅行業の「ピンチはチャンス」はどこにある?

  • 2020年6月5日(金)

 conspiracy、sacrifice、homicide、torture、scumbag。意味は、順番に陰謀、犠牲、殺人、拷問、カス野郎と物騒ですが、これらはすべて私が最近覚えた英単語でして、在宅の余暇にAmazonプライム・ビデオやNetflixでどのようなものを観ているのかがよく表れています。最近では「メンタリスト」がとても面白く感じました。

 Netflixについては、もともと何かのコンテンツに興味があって試しで契約して、その後は料金だけ払ってほとんど視聴していなかったものの、在宅勤務となってからは余暇の時間が増え随分お世話になっています。

 通勤に要していた時間は片道50分程度で、往復で1日100分として週5日で500分、1ヶ月で2000分。休みもあるとはいえ年間で400時間近くを移動に費やしていたことを考えると、しかもそれが実はそれほど必要なかったのかもしれないことを考えると、なかなかインパクトがあります。

 まあ、旅行会社の苦境を思うと、出勤を要しても仕事がある方が幸せなのかもしれません。とはいえ、オフィスが不要になれば賃料などの負担も軽減されるわけで、緊急事態宣言が解除されても、あるいはコロナ騒動が収束しても、そのように変化した働き方がすべて元に戻ることがないのは自明です。旅行業はもともと、昔であれば机と電話だけで事業を始められるとされ、今ならネット環境と端末さえあれば仕事になるでしょうから、在宅での勤務はこれを機に進むはずです。

 最近はオフィス空室率のニュースを目にする機会も増えていますが、仮に論調通りに空室が増えていくとすると、次はそこをどのように活用していくかという議論にもなります。コロナ前であれば宿泊施設という手もあったでしょうけれども、今のところインバウンドブームの先行きは不透明ですし、おそらく今は思ってもみないような新しいアイディアが来年くらいから出てくるのだろうと予想しています。

 このように、環境が激変すればそれに合わせて進化も起きるもので、こうした「ピンチはチャンス」のアイディアは旅行業界にもきっとあるはずです。

 例えば海外では、キャンピングカーのレンタルやアウトドアレクリエーションの予約が好調と報じられていますが、日本でもキャンピングカーを貸し出す企業はあるものの、それらを横断検索できる、あるいは個人所有の車両を貸し借りできるC2C型のサービスは、少し調べた限りでは見つかりませんでした。また、先週も触れたオンラインツアーや、不要な接触の回避も面白いテーマになっていくでしょう。

 それから個人のレベルでも、会社に何かがあっても生きていかなければならないわけですが、今の時間はそれを少しでも確実なものとする努力をしやすく、これもまたピンチはチャンスと考えられます。

 ちなみに、アイディアの話題でついでに書いておくと、冒頭で触れた動画配信サービスについて英語と日本語の字幕を同時に表示できるようにしてくれたらと願っています。英語の勉強のため、「お、今のはなんて言ったんだろう?」と思った時には巻き戻して字幕を英語に変更して見直し、そしてまた日本語に戻しているのですが、非常に面倒くさく、そもそも英語字幕がないこともあります。

 「Otter.ai」など高精度の英語音声自動文字起こしサービスも出てきているわけで、技術的には至極簡単な話であるはずですし、外国語学習の市場も非常に大きく、開発の費用対効果は十分に大きいのではないかと思います。当欄をそうしたサービスの関係者がご覧になることはないと思いますが、どこかで伝わってくれればと願うところです。(松本)

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